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火災保険では保険金支払額の決定について、「新価実損払」と「時価額払」が問題になることがあります。
現在販売されている住宅物件の保険は「新価実損払」になっているので、それほど気にすることはありませんが、以前の保険との比較のために違いを知っておきましょう。

1.火災保険の時価額払
家は通常、年数が経つと価値が下がってきます。
例えば、建築価格2000万円の家であっても、新築後20年後、30年後もなれば価値は数百万円まで下がっていることもよくあります。
以前の住宅火災保険は、価額協定保険特約を付けない限り、支払額はこの「時価額払」方式のものがほとんどでした。
従って長期契約をしている保険の場合は、今でもこの契約形態が残っていることがあるのでご注意ください。
つまり、この契約ですと、新築時2000万円の住宅でも、30年後は1000万円の価値しかないと判断されると、全焼で1000万円しか支払われないのです。従って以前の火災保険では保険金で新しい住宅を建築することができないことが多かっ たようです。

2.新価実損払(再調達価額)
結論から言うと、購入時と同等のものを新たに購入(補修)するのに必要な金額を基準として、保険金額を限度として実際の損害額が支払われるという意味です。以前の住宅火災保険で新価実損払の契約とは「価額協定保険特約」を付帯した契約ということになります。
価額協定保険特約は、住宅火災保険、住宅総合保険等に付帯可能です。その他損保各社から出ている新型の火災保険等は、新価基準で損害保険金(建物保険金額が限度)を支払いする評価済保険となっていることが一般的です。

具体的には、保険の対象になる建物を再調達価額(現在同等のものを新築するといくらかかるかという額)で評価し、その金額を保険金額として設定するものです。
従って、全損の場合には建物の新築費用、一部損の場合には修理費用が全額支払われることになるわけです(もちろん保険金額が限度になりますが)。但し、再調達価額をベースに保険金額を設定するため、その分保険料が高くなるということはあります。(すなわち、時価額ベースで1000万円、再調達価額ベースで1500万円であれば保険料は1.5倍になるということです) 住宅火災保険、住宅総合保険、その他新型の火災保険の保険料の差は、主に補償範囲の広さの違い(補償される事故の種類が多い、事故の際にかかる諸費用等の補償が異なる)によるものです。
この点については、代理店、保険会社の説明をよく聞いて納得できる商品をお選びになればいいと思います。なお、建物だけでなく家財も新価ベースでお支払いするご契約をおすすめします。